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さくらんぼの木の剪定方法

昔から「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」「梅は切れ、桜は切るな」などの諺があります。
桜は枝を切るとそこから病気などが進入し枯れてしまう。養分の流れが狂い弱ってしまう・・・と言うことを経験的に知っていたのかもしれません。しかし、さくらんぼは観賞用ではなく実を収穫するために植えるわけですから切らないわけにはいけません。
大橋さくらんぼ園が40年以上かけて培った剪定方法を簡単にご紹介致します。
ただこの方法が北海道以外の地域にも当てはまるかどうかは定かではありません。また、暖地桜桃は特徴も知識不足のためわかりかねますので参考程度にお読みください。

さくらんぼの木の特徴

  • 桜の木と同様にさくらんぼも”大枝を”切ると枯れることがある(大枝を切り落としてしまいたい場合は、一度に切るのではなく何年かかけて切るようにします。)
  • 幹のことを主幹、主幹から発生した枝で良い角度(枝の付け根に巻込みが入っていない)枝をを60センチから120センチの間に3本選び(それぞれの角度が120度が理想)それより1m位上にまた3本(下側の主枝のそれぞれ間に入るのが理想)選ぶ。それら下方向に3本上に3本の合計6本を主枝と言うが主枝の主幹から発生している角度のきつい主枝ほど元気よくなりやすく、また上に位置している3本の主枝の方が元気よくなりやすい。さらに元気が良い主枝にどんどんと養分が奪われ他の主枝は弱りやすい
  • 主枝の枝から発生する枝(なり枝・・・実をならす枝)の数が多い主枝ほど主枝自体が大きくなりやすく他の主枝が弱りやすい
  • ”頂部優勢”・・・枝の先端や枝の中でも特に高いところに位置している枝にどんどん養分が流れ勢いづく(逆に低い所に位置している枝はだんだん養分が来なくなり弱ってしまう)
  • 基部優勢・・・幹の太い部分の大枝の付け根部分に養分が集中しやすい
  • 養分は高いところ、角度のきついところ、入って行きやすい所(枝が太いほど入って行きやすい)にどんどん流れ、低い所や行きにくいところには流れて生きずらい。
  • 枝の日陰の部分にある枝は葉からの養分貯蔵が足りずだんだん弱っていく
  • 実のならない若木のうちは栄養成長(枝を伸ばす働き)が強く実がなり始めると生殖成長(実を付け、子孫を残す働き)が強くなり、生殖成長が強くなりすぎると実はどんどんなるが木自体は弱ってしまう。
  • 養分の流れが良すぎると栄養成長が盛んになり流れが悪いと生殖成長が盛んになる
  • 間引き剪定(主枝の枝に付いている枝の数を少なくする事)より切り戻し剪定(主枝の枝先を短くする事)の方が樹勢が強くなる(切った先端から元気の良い枝が出やすい)
  • 元気が良く枝の長さも太さもある物はどんどん大きく、逆に細すぎたり短い物は弱りやすい

これらのことを踏まえ剪定方法を考えると若木のうちは良い発生角度で巻きの入っていない枝を主枝の候補枝として選び、その主枝の成長に邪魔しないような弱い枝を沢山付けていた方が木が落ち着いて早くに実がなるようになる。
また、角度のきつい使い道の無いような枝でも、地面に紐などで誘引し下げておけば主枝の成長には邪魔しないので、日当たりが悪く無ければ切らずに誘引する。
また、発生角度の良い主枝候補枝も若木の内は元気よく成りすぎることがあるので、角度が良い場合(45度以上)は地面から誘引する。
木が大きくなると今度は弱った枝は切り戻し、強い枝を出させ養分が高い所にばかり行かないように低い位置の枝の維持に努める。
樹勢を弱らせ過ぎても良くないですが強すぎるとさくらんぼの味は悪くなってしまいます。
樹勢をコントロール出来ているさくらんぼの味は格別です。ご自分で植えられている品種(植えようとしている品種)がどのような実がなるのか?早めに品種の本当の味を知ることはとても大事な事です。
大きくなってからでは植え替えは大変なので早めにその品種がどこまで美味しくなるのかを確かめておく必要があります。
当園では品種のカタログを載せてます。当園で栽培している品種一覧です。簡単ではありますが、品種の特徴なども載せておりますので参考にされて下さい。
又、本当の味を確認するにはやはり摘み立てをご自分で確認してみる必要があります。お目当ての品種があるのならご自分で熟した時期に、摘み取って確認することをお勧め致します。品種ごとに熟す時期が載ったページも参考にされて下さい。

さくらんぼの品種(種類)一覧
さくらんぼ狩りの時期

最後に剪定後は暖地では特に剪定した切り口に癒合剤を塗っておきましょう。商品名はトップジンMペースト、バッチレートです。桜コブ病に似た病気で樹脂細菌病が出やすい地域は銅剤が含まれているバッチレートがお勧めです。

 

ご不明な点などございましたらお気軽にお問い合わせください。
(有)大橋さくらんぼ園 TEL0124-23-0654(番号をお間違えのないようお気をつけ下さい)

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◆当園のさくらんぼを使用した販売中の商品一覧