品種カタログ

 

シャッテンモレロー(Chatte Morello)は、主にヨーロッパで栽培される酸味の強いさくらんぼ品種の一つです。この品種は、日本ではあまり見かけないものの、酸味が特徴的で加工用として重宝されています。

1. 見た目

  • 果皮の色: 濃い赤色から深い黒紫色までの濃厚な色合いが特徴。
  • 果実のサイズ: 中粒から大粒で、形は丸みを帯びている。
  • 果肉の色: 果肉は赤みがかった色合いで、果汁が豊富。

2. 味わい

  • 酸味: シャッテモレロは酸味が非常に強い品種で、生食よりも加工用に向いています。
  • 甘み: 甘みは控えめで、酸味が際立つ味わい。
  • 風味: 強い酸味の中にさくらんぼ特有の濃厚な風味があり、独特の深みが感じられる。

3. 用途

  • 加工用:
    • ジャムやジュース、ソースとして加工されることが多い。
    • ケーキやデザートのトッピングにも使用される。
    • ドイツやオーストリアの伝統菓子、例えば「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ(黒い森のさくらんぼケーキ)」の材料として有名。
  • アルコールとの相性:
    • リキュールやワイン、蒸留酒などの原料としても用いられます。

4. 栽培の特徴

  • 生育環境: 温帯地域でよく育ち、湿気や寒冷な気候にも比較的強い。
  • 収穫時期: 中晩生種で、収穫期はさくらんぼの中ではやや遅め。
  • 耐病性: 比較的丈夫な品種であり、栽培が比較的容易。

5. 特徴的なポイント

  • シャッテモレロは酸味が強い「サワーチェリー(Sour Cherry)」の代表的な品種の一つです。
  • 生食用の甘いさくらんぼとは異なり、加工や調理に適した品種であることが最大の特徴です。

6. その他の魅力

  • 健康効果: 抗酸化作用のあるアントシアニンが豊富で、健康食品としても注目されることがあります。
  • 保存性: 酸味が強いため、保存食品としての加工に向いており、長期保存が可能です。